其の一
500円硬貨

  今回から新コーナー「四方山話」が始まります。末永く続くことを願ってやみません。
記念すべき第一話は当倶楽部の従業員Aの話です。
 ある日の夕方、家族で久しぶりの外食をしようということになり、ウキウキ気分で真っ先に玄関を飛び出て妻や子供たちを待っていました。家の前には暗渠になった側溝があり、所々グレーチングで開口されています。何気なくそのグレーチングの上から下を覗くと3cm位の水流の下にキラッと光る500円硬貨が見えるではありませんか。「おお、これはラッキー外食代の足しになる。」とグレーチングを見るとボルトで固定されていません。「これまたラッキー」。ところが厚みが5センチもあり、重くてとても一人では持ち上げることができません。そこで嫌がる息子に手伝わせ、難儀しながら移動させました。
 いざ、腹這いになって取ろうとしましたが届きません。落ちないように両足で壁を突っ張り、「危ないからやめとき」と言う妻の制止を振り切って、服を汚しながら少しずつ降りていきました。そしてやっとの思いで後ろ手に届いて「やったー。見てみぃー!」と誇らしげに叫んで皆に見せびらかした500円硬貨・・・のはずが、なんとそれはパチスロのコインだったそうな。Aがそのあと妻と子供たちに馬鹿笑いされたのは言うまでもありません。

間違えるのも無理はないか

 意気消沈したAは誰か同じ目に合わせてやろうと、そのコインを元に戻したそうです。その後グレーチングを空けていた人がいたと言う報告はいまだに聞きません。